ブックカバーと旅の話
本屋が好きだ。
本屋でもらうブックカバーがとにかく好きだ。
本屋のブックカバーを見るとその本を買ったときの状況や情景が目に浮かんでくる。
こんな気持ちの時に買ったなとか、この本と迷って結局こっちを選んだっけとか。
そんな気持ちにさせてくれる本屋のブックカバーが好きだ。
でもそれ以上に好きなのは旅先でふらっと入った本屋で買った本をズボンの尻ポケットに入れて、電車待ちや移動の間に読むこと。
旅先という自分にとっては非日常の中で、日常を送る人達に紛れてさも「自分もここにいるのはいつものことですよ」って顔をしながら本を読んでいるのが好きだ。
もちろん、地元にはない大型書店に入ってそこのブックカバーをつけてもらうのも好きだ。
買ったばかりの本を持って入れるようなカフェが近くにあるとさらにいい。
自分にとって、旅とは非日常を体験することと共に、その中で日常を送る人達の中に紛れてしまうことでもある。
だから自分は、ポケットに買ったばかりの本を入れて今日もふらりと一人旅に出る。